野菜で発生する病気の7割は糸状菌が原因

ベランダで発生する病害は周辺の雑草やアブラムシなどの害虫、培養土などが感染源になっています。

 

病気の原因はかび(糸状菌)によるものが7割以上で培養土の原料や空気中に漂う病原菌の胞子から感染が始まります。

 

かびの病気には発生する部位で葉や果実、根、根から侵入して株全体が感染するものに分けられます。

 

一方、ベランダに飛来する害虫は蝶や蛾の幼虫、アブラムシなどの目に見えるものよりもアザミウマやハダニなどの小さな害虫は注意が必要です。

 

小さな食害痕やかすれたような葉の症状など少しの変化を早く見つけて、害虫が広がるのを防ぐことが大切です。

 

 

葉に発生するかびの病気

えんどうのうどん粉病
えんどうのうどん粉病

 

葉に発生するかびの病気はうどん粉病、灰色かび病、疫病などがあり、うどん粉病以外は高温多湿の状態で発生しやすくなります。

 

うどん粉病はえんどう、かぼちゃ、ごぼう、にがうり、パセリなど多くの野菜で発生しますが、外見は同じでも野菜の種類によって寄生する菌が違います。

 

えんどうは寒さに合うことで花芽が多くなる冬越し野菜ですが、種まきが早すぎると生育が旺盛となりやすくうどん粉病が発生しやすくなります。

 

えんどうは葉が小さくて感染が拡大すると生育が停止してしまうので発生が多い地域ではうどん粉病に抵抗性のある品種を選ぶことをお勧めします。

 

根に発生するかびの病気

オクラの黒根病

 

根に発生するかびの病気は黒根病、根腐れ病などがあり、重症化すると生育が停止したり、青枯れ状態となります。

 

オクラの黒根病は土壌中の菌密度に左右されるので、汚染がひどい場合は発芽直後から根が感染して重症化します。

 

病原菌は培養土に配合された赤玉土や黒土などに潜んでいることが多いので、培養土の原料をよく確認してから購入しましょう。

 

根から侵入した菌が株全体に広がる病気

そら豆の立枯病
そら豆の立枯病

 

そら豆の立枯病は根から侵入した菌が導管を通して茎や葉へ増殖しながら広がりやがて株が枯れてしまう病気です。

 

病原菌は発芽して伸びてきた根に感染しますが根は生きているのである程度の大きさまではゆっくりと成長します。

 

そら豆の立枯病

 

やがて根から侵入した菌が導管で増殖して拡散すると茎の一部が筋状に黒くなり、葉まで到達すると萎凋して枯れてしまいます。

 

地表面から飛散した胞子が果実を腐敗させる病気

ピーマンの炭素病
ピーマンの炭そ病

 

ピーマンの果実には炭そ病や菌核病、灰色かび病と多くの病気が発生しますがすべてかびが原因で起こる病気です。

 

炭そ病は地中に潜んでいる病原菌から胞子が空気中に飛散することで葉や果実に胞子が付着して発生します。

 

症状は小さな褐色の斑点が現れると病斑が拡大して腐敗することで感染した果実は落果してしまいます。

 

 

害虫防除のポイントは野菜の小さな異変を見逃さないこと

アザミウマの吸汁痕(水菜)
アザミウマの被害(水菜)

 

害虫の食害は幼虫が小さいうちは見逃しやすく、気が付いた時にはかなりの食害を受けていることがあります。

 

ベランダの野菜はベランダの外側に向いている葉が害虫に産卵されやすく、内側からの死角にもなっています。

 

害虫防除のポイントは小さな食害痕や葉がかすれたような症状を見逃さないようにすることが大事です。

 

ハダニの被害(なす)
ハダニの被害(なす)

 

アザミウマやハダニの被害は初期の症状が分かりにくく、異変に気付いた時には他の野菜にも感染が広がっていることがあります。

 

初期の症状は葉色がかすれたり、引っ掻いたようなよう傷が見えたら、葉裏に害虫がいないかよく確認することです。

 

防除のポイントは食害部をこまめに切除したり、被害が重症化するまえに処分することで他の野菜への感染拡大を防ぐことです。

 

無性生殖で増殖するアブラムシ(トウモロコシ)
トウモロコシに寄生するアブラムシ

 

アブラムシは翅の生えた成虫が風で遠くから運ばれてくますが、必ずしも寄生できる植物にたどり着けるとは限りません。

 

アブラムシが寄生できる植物はアブラムシの種類で決まっているので、寄生できる植物にたどり着くと翅のない幼虫が増えてきます。

 

初めは下葉の葉裏や新葉で増え始めますが、数が多くなると新葉が伸びなくなり生育が停滞してしまいます。

 

防除のポイントはアブラムシの幼虫が増え始めたら、柔らかい筆などで払い落とすことでアブラムシの被害を回避できます。

 

ダイコンを食害するアオムシ
アオムシの食害(だいこん)

 

青虫は蝶や蛾の幼虫で毛のはえていないものを指していますが、アオムシはモンシロチョウの幼虫を指しています。

 

幼虫は2〜3週間で蛹となりますが、卯かしてから1週間も経過すると食害痕も大きくなり被害が大きくなります。

 

防除のポイントは小さな食害痕を早く見つけること、新しい糞を見つけたら注意して幼虫を見つけるようにすることです。

 

なすを食害するニジュウヤホシテントウ
なすを食害するニジュウヤホシテントウ

 

ニジュウヤホシテントウやウリハムシは幼虫だけでなく成虫も野菜を食害する害虫で少数でも野菜の生育に大きな影響を与えます。

 

ニジュウヤホシテントウの成虫は短時間で葉を網の目状に食害しますが、飛んで逃げられてしまうことも良くあります。

 

防除のポイントは成虫を捕殺することはもちろんですが、産卵されることもあるので食害されたら葉裏をよく確認することです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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