ベランダに飛来する謎めいた虫たち
野菜に集まってくる昆虫には野菜を食害する害虫だけではなく、移動の途中で休憩している無害な昆虫や行動が良くわからない昆虫もやってきます。
イトカメムシは細長い体に長い触角と長い脚をもったカメムシで一般的な丸型のカメムシとは外見が全く異なります。
食性は植物から樹液を吸う植食性でアブラムシなども捕食するとされていますが、ほとんど生態が良くわかっていないカメムシです。
発見した場所はオクラの葉の上でアブラムシは繁殖していない状況なので移動する途中で飛来したと思われます。
アリグモは蟻に擬態化した蜘蛛で他の昆虫を捕食する能力が低く、花粉や花の蜜などを主に食べていると考えられています。
アリグモと蟻の大きな違いは脚の数が違うところでアリグモは4対の8本、蟻は3対の6本あります。
画像のアリグモは頭部の前に付きだした鋏角(きょうがく)をもつオスでオス同士の戦いのために使われます。
発見した場所はトウモロコシの葉の上でトウモロコシの雄花が開花している時期だったことから、花粉を食べていたのかもしれません。
ビロードハマキは非常にカラフルで目立つ蛾ですが、幼虫はヤマモモやアセビ、ヤブツバキなど多様な樹木の葉を食害する昆虫です。
画像はナスの葉の上で休んでいるメスの成虫で、オスはメスに比べて白の模様が小さく黒っぽく見えるので比較すれば違いが分かります。
ビロードハマキの翅の模様は味方にによっては外敵から身を守るために、毒々しい模様をしていると考えられています。
ツマジロエダシャクは幼虫が尺取り状に動くエダシャク科に属する蛾で見方によっては枯れ葉や飛行機、人形などのようにも見えます。
食性は幼虫がクスノキの葉を食べるので、家の近くにある街路樹のクスノキからベランダの野菜に飛来したと考えられます。
成虫は口が退化しているため餌を食べることができない上に、メスは退化して飛べないのでフェロモンでオスを引き寄せて交尾します。
キマダラカメムシはカメムシの中でも最大級の大きさで、黒い体色の中に黄色い斑点が特徴の外来種です。
食性はサクラやカキ、クワ、ウメなどの樹木で、野菜では無害なカメムシです。
カメムシは危険を感じると体から分泌物を放出するため、特有のにおいが発生するので無暗に触らないことです。
野菜で吸汁被害のあるカメムシを見つけたら、ガムテープなどで捕まえて駆除するようにしましょう。